Roy

Report on NIKE UNLIMITED STADIUM

8月4日からオリンピック開催に合わせてNIKEのイベントをBBH Singapore + Party NY + Birdman で制作しました。

このイベントはNikeの最新ランニングシューズ[LunarEpic Low Flyknit]のプロモーション。Birdmanが制作したイベントの中でも最大級のスケール。∞の形に造られた(実際にはFlynitのソールの形状)200メートルのコースの壁にLEDパネルが敷き詰められていて、2周めからは自分のゴーストが出現し過去のラップを競い合うというもの。シンプルだが実際にやってみるとかなり燃える。もちろん全体のラップもとっていて、全員で世界一周目指そうぜ!というオチもある。

∞コースにLEDパネルを敷き詰めてに自分のアバターと走るみたいなことをやりたい!という無邪気なオリエンを聞いたのが1.5ヶ月前。正直聞いた時はこんなの1.5ヶ月で出来るわけ無いと思ってた。Party NYのマサさん、Qantaさんを中心に実現できる企画をParty NYとBirdmanで詰めていき、プレゼンをしながら同時にプロトタイプを制作をしていった感じ。ミーティングも東京/NY/シンガポール/フランス/オーストラリアからOnlineでミーティングってのもあったな…。

しかし、我々ソフトウェア側はなんとかなるかもしれないけど、開催場所すら決まっていない状態(そもそも企画もふわふわ)でこんなLEDパネルを敷き詰めた200mコースなんて出来るわけ無いと・・・誰もが思っていたのだが…。しかし施工会社のJACK MORTONはやってくれました。こいつらすげーわ。
ここのロケーション、もともと原っぱだったんですよ。何言ってるかわからないと思いますが、このコンクリートの基礎から作ってるんです。アホです。フィリピンは昼間は気温がヤバイので、外ではあまりその時間帯は働けない。ほぼ現場のテントで昼寝とかして夕方くらいから動き出すんだけど、そんなフィリピン人のスタッフを使って約2週間でこの会場を埋め立て、コンクリートの基礎から造っちゃいました。感服します。(このイベント後、ここはどうなるのか検討もつかないけど)

元々原っぱだった区画

コンクリートの基礎から制作

この手のイベントはプロトタイプがすごい重要なんだけど、今回は特に時間が無かったので、日本では倉庫を借りてひとしきりイベントの流れを想定したモノを作ってそれをマニラに持込む、という作戦にした。というかそれしか方法が無かった。しかし色々フィリピンというお国柄、機材を郵送するわけにはいかず(なぜかなくなる確率が高い)スタッフが手荷物で機材を持っていくという強行手段。一人ずつスーツケースを持って止められたら何て言うとか色んな作戦を立てました。特にFast Trackというのがありまして、お金を払うとどこかの遊園地のファストパスのようにスルスルと行けてしますシステム。よく分かりません…。
日本では倉庫を借りきってのプロダクト開発
8月4日のオープニングの2週間前にスタッフが現地入りし、毎日昼飯・夜飯も食べる時間を惜しんで現場で実装、デバッグし完成まで持って行った。特にデバッグはマジ大変で、クソ暑い中でコースを走らなければならない。体重計乗ってないけどそこそこ痩せたと思う。

オープニングギリギリで色んなトラブルが発生したのだがそれらは全てマニラの天候によるもので、機材トラブルだった。フィリピンはこの時期雨季でスコールがかならずやってっくる。暑さとスコールと寒さ(冷房の)に耐えるのが大変だった(現地では現在もイベント続行中なのでまだまだその環境下)。オープニングイベントの30分前、なぜか今まで絶好調だったセンサーが全く反応せず。一体なにが起こっているのかさっぱり分からない。結局新しいセンサーにまるっと差し替えて乗り切ったが、翌日試してみてもセンサーは壊れていないことが分かった。結局マットに位置を少しずらすとちゃんとセンサーが反応することが分かったのだが、何故か16時10分前に起きる謎の現象は未だに解明していない。地面に何かしらの鉄や電源ケーブル等が埋め込まれているのではないかと予想している。
それにしても自然の力は怖い。


そんなこんなで始まったイベントは大盛況。参加者の楽しそうな顔を見ていると本当にやって良かったと思う。イベントの醍醐味かな。今回は非常に時間が無い中で制作したにも関わらず、全員の頑張りでかなりのクオリティーまで持ってこれたと思う。それに、今回のようなグローバル案件をやったことでBirdmanとしてもかなりの経験値が溜まった気がする。今年立ち上げるBirdman NYでも今回の経験を活かせていければいいなーと思います。

↓ 360°動画です。Chromeなどでご覧ください。








STAFF CREDIT:
Client: NIKE
Advertising Agency: BBH Singapore
Construction: Jack Morton Worldwide
Creative Director: Masashi Kawamura (PARTY NY)
Technical Director / Art Director: Hisayoshi Hayashi (PARTY)
Interactive Director: Roy Ryo Tsukiji (BIRDMAN)
Interactive Director: Yoichi Kanazawa (BIRDMAN)
Technical Director: Takeru Kobayashi (BIRDMAN)
Technical Director / Programmer: Yohei Kajiwara (BIRDMAN)
Programmer: Ryusuke Izumida (BIRDMAN)
Programmer: Takahisa Maeda (BIRDMAN)
Programmer: Takumi Saito (BIRDMAN)
Project Manager: Akane Inada (BIRDMAN)
Project Manager: Mandy Wang (PARTY NY)
Project Manager: Sachie Aihara (PARTY NY)
Designer: Ryotaro Nakano (BIRDMAN)
3D Designer: Keita Ichiba (PARTY)
Sound Designer: Yuuki Ono (Wondrous)
Technical Manager: Qanta Shimizu (PARTY NY)