こんにちは!。BIRDMANテクニカルディレクタのコバヤシです。
少し間が空いてしまいましたが、カンヌレポートです。
案件を数点引っさげ期待に胸膨らませライオン狩りに出かけてきました。
が、残念ながら自分案件にて色付きライオンは捕獲できずの帰国となってしまいましが、とても有意義な時間を過ごすことができました。
来年は色付きライオンを捕まえたい!ちなみに弊社自体はOK GOでブロンズいただいております。ありがとうございます!
さて実は意外かもしれませんがカンヌ初参戦でして、なので自分のおさらいと、弊社の「カンヌって美味しいの?」というスタッフのために初歩的なことから書いてみました。
カンヌかんぬといっておりますが、正式名称は「カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル」。
そしてカンヌは地名。
南フランスの、地中海に面する港町。リゾート地でもあり港には高級ヨットがいっぱい。
場所はここらへんhttp://w3w.co/subdivision.electrify.fluff
行った時は6月だったのですが昼間日差しが強くて暑いけど湿気がないので日陰は涼しい。夜はちょっと肌寒かったです。日本の北海道と同じくらいの緯度。
日本からだと直行便がないのでトランジットを駆使して移動。
今回は私は成田空港からターキッシュエアラインでトルコのインスタンブールにあるアタテュルク国際空港へ12時間、トランジットで5時間待って、インスタンブールからニースのコート・ダジュール空港まで3時間
コート・ダジュール空港からバスで50分
ほぼ丸一日移動。
カンヌは日が長い。外が暗くなるのが21時以降 日本感覚でいると気づけば深夜になっている。
カンヌといえば映画祭。この映画祭の広告コンクールから派生していたったものが、このカンヌライオン。
One Show、クリオ賞と並び世界3大広告賞の一つといわれる世界最大級の広告アワード。
この業界にはいってモノゴゴロ着いた時は「カンヌ国際広告祭」でありましたが4年前に「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル」となっていたようで、知らなかったー!恥ずかしい!
広告という文字をとっぱらい、広告という枠に留まらずに社会問題を巻き込んで世界を良くしていこうという大きなクリエイティビティ・フェスティバルへと進みだしているようです。これこそゲームチェンジか?
それに伴ってか2013年に「イノベーションライオン部門」が追加され、さらに今年から性差別や偏見問題にに焦点をいた、「グラスライオンズ部門」、ビックデータや様々なデーターテクノロジーに焦点を置いた「クリエイティブデータ部門」が追加されています。
フェスティバル自体は3つにわかれておりまして、さらにその下に部門分けされております。
今年の全リストと、どんな部門なのかマトメられている所がなかなか見つけられず、いろいろなところから拝借しまとめてみました。違っていたらゴメンなさい!
// CANNES LIONS ////////
BRABDED CONTENT AND ENTERTAIMENT:広告以外にブランドの向上と、人々の意識をどれだけ変えれたかを評価される部門
CREATIVE EFFECTIVENESS:2011年から追加。どれだけ目標にたいする効果をあげれたかを評価。過去にショートリストに入ってないと応募できない制限付き
CYBER:WEB、デジタルにまつわるものに焦点を置いた部門
DESIGN:デザインに優れたアイディアを評価する部門
DIRECT:消費者に直接行動を起こさせたキャンペーンなどを評価
FILM :劇場、TVの広告に焦点をおいたもの
FILM CRAFT :2010年から追加。映像製作技術に焦点を置いた部門
GLASS LION:性差別や偏見問題に焦点を置いた部門
MEDIA:この部門では、ターゲット層とブランドの関係に関する徹底的な理解、革新的な理論の実行、そしていかにメディアソリューションが最大限の結果をもたらしたかが評価されます。とのこと。
MOBILE:おもにスマホやタブレット、小型のデバイスなどなどに焦点を置いた部門
OUTDOOR:屋外で実施されたものを評価する部門
PR:どれだけパブリックの意見や行動を変えることができたかを評価する部門
PRESS:おもに印刷広告の焦点を置いた部門
PRODCT DESIGN:2014年から追加。「ブランドのコミュニケーションを助け、人々の暮らしをより良くするポジティブなインパクトをもたらす、フィジカルなプロダクト」とのこと。
PROMO AND ACTIVATION:商品、サービスを消費者にどう働きかけたかを評価される部門
RADIO:ラジオCMが対象の部門
TITANIUM AND IINTEGRATED:総合的に優れているかを評価される部門
// CLION HEALTH ////////:2014年に新設され、名前通りヘルスに焦点をあてたもの
HEALTH AND WELLNESS:一般医薬品、健康商品、PR活動など
PHARMA:医療用医薬品が対象のもの
// LION INNOVATION ////////: 2015年に新設され、クリエイティブなアイディアを具現化する、テクノロジーとイノベーションに焦点をおいたもの
CREATIVE DATA:ビックデータや様々なデーター&テクノロジーに焦点を置いたもの
INNOVATION:技術や発明に焦点を置いた部門
弊社が扱う案件としてはサイバー、モバイル、ダイレクト、メデイア、デザイン、プロモあたりが関わっているところでしょうか。
各エージェンシーや製作会社さんが案件に見合うところに応募し、その年の審査員によって非公開ですがその中からロングリストに絞られ、その後カンヌに集まりショートリストが選ばれパブリックに発表、そしてそこから審査員のプレゼンやら談合やらでファイナリストのブロンズ、シルバー、ゴールドが選ばれ、そしてその部門のグランプリが決められます。
毎日、会場入りするたびに発表されたショートリストに自分らの案件が入ってないかを血眼でさがし、なければ肩を落としながら売店の店員にエスプレッソに無理に氷をいれてもらって作ったアイスコーヒーを遠い目をしながら飲んでみたり。にしてもアイスコーヒーが無いのにビックリ
では、僕たちが実際にカンヌにいって何をしてきたかと思うしますと、ざっくり4つ。
触れる。見る。感じる。広げる。
各シアターではいろいろなセミナーが行われています。名だたるエージェンシー、広告主、サプライヤーによるプレゼンテーションやらトークセッションなどなど。そのセミナーに参加しグローバルな思想やトレンド、テクニックに触れることができます。
エキシビジョンスペースでは、ショートリストをとった作品のパネルが貼り出されて、専用の端末をつかえば全エントリーを見ることができます。
端末でもショートリストや賞が発表されれば、どの作品が入賞したのかもわかります。とにかく時間許す限り見てました。人によって見方があるようで、入賞をメインに見て流れやテクニックを見出したり、逆にショートリストに入らなかった作品をみてどうしてダメだったかを研究されたり、ひたすら総なめして自分のお宝作品をレコメンドしたりといろいろ。
スクリーニングでは、空いているシアターでスクリーンに映像作品が止めどなく流されているので見入る?ことができます。
夕方になると授賞式がはじまります。ファイナリストが発表されゴールド作品はステージ上でライオンを受け取れます。この年のトレンドや方向を感じ、そしてその熱い空気をダイレクトに体感できます。何と言っても拍手の具合でその作品に対する、そこにいる人たちの温度感がよみとれ腹の中が感じれて怖かったです。
その後、レセプションがあったりパーティがあったり。各エイジェンシーの垣根を超え夕ご飯にいったり呑みにいったり、作品について語りあったり手の内をみせてくれたり。そうすることで人脈やら自分の思考の幅が広がっていきます。
と、ざっくりで失礼。
自分は主にテクニカルなところにいるので技術を追ってばかりの立場でもありますが、
その技術を活用する場所、活用方法、そして思想を深く紐付けることがクリエイティブなのかと、
まー自問自答したり深く考えられる聖地であったと思います。
あと、クォリティや思考のレベルが高い作品に出会うと、「凄いなー」という思いより、ヤキモチを感じるのが不思議。
そういえば去年?の須田さんのレポでカンヌのライオンは人のジュラシーを食べて60年生きているんだと書かれていて、実際行ってみてなるほどーと思った次第で。現地にいることで意識が高くなっているんだな。
そんな一週間で見つけたジェラシーなどを。
3 Words to Address the World – What3Words
3ワードで地球を制す。地球上を3平方で区切り、 57兆もの区分に分けて、その区分に3つの単語を割り当て新しい住所にしてしまおうというもの。技術的にはgoogleMapの最大でのセル一枚に、単語帳からユニークに3つ割り当ててるという結構シンプルなもの。現在でも住所がない地域にまでユニバーサルな住所をここのサービスがデリゲとなって、住所を得ることができる。スマホやPCをもっていない住所もない人は自分の場所の3単語で覚え、伝えればよい。受け取った人はこの3単語の呪文をスマホで確認するとその場所を知ることができる。
日本でも公園に住んでいる人たちにも、家に住んでいる人と同等に個々の住所を得たことになる。
どうしてもコンバートにデジタルが必要となってしまうが、緯度経度を覚えるより遥かに人に優しい。
個人的には海のど真ん中にも公平に住所が割り当てられるところに心もってかれた。
Look At Me – Samsung Electronics
端末越しの世界から、リアルな世界へ。
自閉症などで人の顔を見れない子供が、顔を見て話せるように心を開くための支援アプリ。
カメラデバイス(スマホ)だからこそ、デジタルのフィルターを通して見ることができるので怖さを半減させられる。カメラデバイス(スマホ)の活用思考を超えたレイヤーにあってすごくよかった。自閉症児支援アプリケーションといってソフトウエアの方が押されている風ではあるが、でも自分はカメラデバイス越しに見れない現実を見る事でいつしか現実に目が行くようになるというところが気に入っている。
ついで応募映像が、映画的ドキュメンタリーテイストでよかった。アワード映像は他の差別化を図るためにいろいろ工夫をしていて、その年のトレンドな方法とか生まれてくることもあって面白い。というか差別化を図る行為がまだ青い時にレコード会社にデモテープを送る時に、どうやったら審査するひとの目にとまるか?聞いいてもらえるか?という思考錯誤をしていたことが懐かしく、ちょっとセンチメンタルになる。
LIFE TIME CLOCK
ドイツの臓器移植財団のもの。実際に移植を受けないと後数ヶ月の命しかない、その数ヶ月を砂時計で残りの時間(命)を示すことでドナーを募るもの。
時間的数字とか、値ではなく質量がある砂が落ちていく。命がどんどん軽くなっていく。そして、失った時間が下に溜まっていくってところが詩的すぎて、重たい(質量がある)作品。デジタルには質量がないけど、アナログって重さがあって良いなーと改めて初心に戻れた。
また、南フランスの風を浴びれるよに頑張ります!
以上でしたー。
コバ